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特別展 In An Instant : Polaroid at the Intersection of Art and Technology ( ポラロイド展 今と昔のインスタント)

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「撮った写真すぐ見れないの?」と聞かれたらハイ!と携帯なりデジカメなりのスクリーンを見せますよね。


75年前、幼い娘から同じ事を聞かれたエドウィン・ランドはその小さな望みを叶えるため世紀の大発明をしました。
それがポラロイドカメラです。


ポラロイド展(*日本語ガイドは行っていません)はそれからどのように開発、改良されていったのかをガラスケースの中の実物でご覧いただけると同時に、テーマに沿って集められたすばらしいポラロイド作品もたくさんご覧いただけるとっても贅沢な展示なんです!


カメラや機械が好きな方も、そして現代アートが好きな方も楽しめますね~。


最初のコーナーはポラロイドカメラの始まりのご紹介です。


ガラスケースの中には気になるものが!

ん?サングラス??

実はエドウィン・ランドは先にポラライズドレンズ(偏光レンズ)を発明していて、その技術を応用してポラロイドカメラが作られました。


多くのサングラスに使われている偏光技術とポラロイドカメラがつながっていたとは!



左手にあるブースはその偏光技術をご体験いただくコーナーです。

ちょっとしたしかけがありますので、ぜひご自分の目でご覧になってください。



アート作品は7つのテーマに沿って展示されています。


誰でも名前を知っているようなアーティストの作品から地域限定のアーティスト作品まで多数ありますが小さいサイズのものも多いのでじっくり見てお気に入りを探してみて下さい。




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2つ目のガラスケースではまたまた目を引くものが!

紙で作られた模型です。


カメラや携帯などを手にするとき、私たちはそれがどのように作られたか、どんな過程を得て最終的な形に落ち着いたのかあまり考えることはあまりありませんよね。

でも開発者達によってより手になじむそして、より携帯に便利な形を追い求めたプロセスがあることを思い出させてくれる展示です。


Interrogation(吟味)というテーマのもとに集められたのはポラロイドカメラを表現手段として取り入れることの可能性を突き詰めた作品群です。

ロバート・ラウシェンバーグのFrom the Bleacher Seriesは20X24インチの大きなポラロイドカメラをトラックの荷台に載せ、マイアミの町を走り回って撮影した作品です。


ところどころかすれたようになっているのはプリントに漂白剤を筆で塗って作った効果だそうです。

だから漂白剤シリーズ!



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次のガラスケースでは1965年発売時に爆発的に売れたSwingerカメラがご覧いただけるでしょうか。

これを携帯していることが、現在最新鋭のスマホを持つようにおしゃれなことと考えられたのです。


Arrangement(配置)のセクションでは小さな2点の作品を探してみてください。アンドレ・ケルテスというハンガリー出身のアーティストのAugust 13, 1979とOctober 24, 1981です。


1977年に最愛の奥様を亡くし喪失感のなか、奥様との思い出をたどる形で制作し始めました。

一緒に住んだニューヨークのアパートの窓辺に大事な思い出の品を置いて撮影した作品です。

愛を詠う詩のようです。


最後のガラスケースの中では一世を風靡したSX−70カメラの宣伝のため、エドウィン・ランドがフィーチャーされたLifeとTimeマガジンの表紙を展示しています。

四角く平たい箱がトランスフォーマーのように立ち上がってカメラになるというのは当時の人々にとって魔法のように魅力的に映ったでしょうね。


Contemplating(熟考中)のセクションで目にとまる大きな作品はマリア・マグダレーナ・カンポス‐ポンスのthe One Who Opens The Pathです。

彼女はメキシコ、ナイジェリア、中国の血を受け継ぎキューバで生まれ育ったという方です。

体に絡まる紐やビーズがまだ奴隷制度的な日常が存在する国から来た彼女のアイデンティティの模索なのかと考えさせられます。



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ポラロイド写真の醍醐味は撮った写真をすぐその場で仲間と共有できたということですよね。

瞬間を切り取り、多くの人と画面上でそれを共有するという意味では今のインスタグラムなどのソーシャルメディアに通じるものがありませんか?


最後の部屋は現在のインスタントを考えるコーナーになっています。

シンガポールのソーシャルメディアでインフルエンサーとされる方々が「瞬間性ということがそれぞれにどんな意味を持つのか」、「ソーシャルメディアがどんなふうに彼らを助けたか」などのテーマでお話しされている映像が流れています。


マイナス面で語られることも多いソーシャルメディアですが、きちんとルールを守って楽しめば世界中の友達と瞬間を共有できる便利なツールですよね。


会場はフラッシュなしで撮影可能なのでお気に入りの作品を撮影し、

InAnInstantNMS

でぜひシェアしてくださいね。


*ポラロイド展の日本語ガイドは行っていません。


シンガポール国立博物館(ヒストリーギャラリー) 日本語ガイドツアー

月〜金曜 10:30

1土曜 13:30




by jd_museumguide | 2018-12-13 05:00 | シンガポール美術館

☆ミュージアム日本語ガイドグループオフィシャルブログです☆


by JD_museumguide
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