Cities and Kings~ミャンマーいにしえの至宝展~開催中
2017年 01月 08日
昨年12月より、特別展「Cities and Kings:Ancient Treasures of Myanmar~ミャンマーいにしえの至宝展~」が始まっています。
同時開催中「Port Cities〜ポルトガルから日本まで〜」の特別ガイド展も、期間中月曜10:30〜11:30に行っています。(全5回:1/9,16,23, 2/6,13)
詳しくはPort Cities展ブログをご覧ください!
オープニングセレモニーにはアウン・サン・スーチーさんが招かれ、リー・シェンロン首相と共に学芸員からの説明を受けている姿が公開されました!(動画)
ミャンマーの人口は約5000万人。そのうち約85%が仏教徒です。今回の展示にも多数の仏像が来ています。
ミャンマーはシンガポール同様、他民族国家です。最も多いのがビルマ族で人口の70%を占めています。 その他にもシャン族、モン族、首長族で知られるカレン族など、様々な少数民族がいます。
ミャンマーの歴史は、民族同士が勢力を争い、勝った民族が王朝を建て支配するということを繰り返し、刻まれてきました。
≪2~9世紀頃、ミャンマー中央部を支配したのはピュー族でした≫
ピュー古代都市群のうちの3件は2014年に世界遺産に登録されました!
こちらはピューの時代のお皿です。真ん中に描かれている鳥はミャンマーの国鳥です。何の鳥だと思いますか?
≪紀元前~11世紀、ミャンマー南部を支配したのはモン族でした≫
ミャンマーで最も有名な仏教寺院、ヤンゴンにあるシュエダゴン・パゴダはモン族の王によって建てられたという伝説があります。伝説には諸説あるので、真偽のほどはわかりませんが、いずれにせよ、上座部仏教を早くから受け入れたのがモン族と言われています。
≪11世紀、ビルマ族がミャンマー初の統一王朝「バガン朝」を建てました≫
バガンは、アンコールワットやボロブドゥールとならび、世界三大仏教遺跡とされています。 当時には4,000も建てられたという仏塔や寺院が眼下に広がっている景色は絶景です。
≪14~19世紀、分裂の時代≫
バガン朝滅亡後は遷都を繰り返し、文化が融合した時代でもありました。
それまで石で作られることの多かった仏像の材質も変化していきました。
こちらは大理石でできています。他の材質の仏像も展示されています。
右手の指先は地面に触れています。この手の形には意味があります。ぜひ、ガイドでお聞きください。
≪19世紀、イギリスの植民地へ≫
戦争に負け、ミャンマーはイギリスの植民地となりました。
ミャンマーでは純度の高い銀が採れました。
こちらは銀できた、ある特定の物を入れる入れ物です。イギリスの影響が伺える様子も描かれています。
ミャンマーには漆の伝統もあります。
こちらは漆でできた神様です。仏教国として知られるミャンマーですが、仏教が入る以前からこのような神様を信じる民間信仰もある、奥深い国なのです。
2016年は日本同様、ミャンマーもシンガポールとの国交樹立50周年という記念すべき年でした。その年にオープンしたこちらの特別展。
こじんまりとした静かなギャラリーで、ゆっくりと仏像の前に立ち、自分の心と向き合ってみる、そんな特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
ミャンマーの魅力に引き込まれること間違いなしです!
【展示概要】
アジア文明博物館 2F 特別展示ギャラリーにて
2016年12月2日(金)~ 2017年3月5日(日)10:00~19:00 金曜日のみ21:00まで開館。
入館料:23ドル
*こちらのガイドは、通常展示の日本語ガイドに加える形で、ダイジェストで行っております。